【忘れられた小さな傑作】
バーバラ・ローデン脚本・監督・主演による、
処女作にして遺作。
'70年ヴェネツィア国際映画祭【最優秀外国映画賞受賞】作品。
WK君のレヴューで昨年知り、期待して極力…
炭鉱の映像から名作を感じさせるバーバラ・ローデン唯一の長編監督作。
最初から希望がないため、「シュトロツェクの不思議な旅」よりハードな中身なのにキメ打ちのショットは少なく荒削りすぎる作風からゆるさ…
結構好き。
家族、仕事、財布の中身を失った主人公がバーで出会った強盗犯の男と共に行動する逃避行。
主人公はどこかおかしい、頭にヘアカーラーつけたまま法廷に遅れて出席、そのまま仕事場まで行ったりして…
なかなか厄介なレストレーション・リヴァイバル。
この企画は、どこから湧いて出たのか?
この制作する金は、どこから出たのか?
そして、主役、監督、脚本を股にかけた彼女から、一体何が湧き上がったのか?…
唐紅を無意識的に等閑し、褪せた白群を召連れ徘徊するワンダ。カーラーを巻いたまま出廷すること、行き摺りの男に軽口を叩きながら食事をすること、彼女の行動に特段意味はない。執着の無さは諦めの果て。
不可逆…
バーバラ・ローデン監督・脚本・主演のデビュー作にして遺作となった『ワンダ』。70年代アメリカインディペンデント映画の道筋を開いたと言われている作品。
1970年ヴェネツィア国際映画祭最優秀外国映画賞…
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