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WANDA/ワンダのysmのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
5.0
良すぎる。どういう訳か『リバー・オブ・グラス』より90年代USインディ感ある。PavementとかWheat、Built to spillみたいな空気感が本当に嬉しい。粗いシネマヴェリテ感が狙ったものという感じがしなくて、結果としてそうなったに過ぎないというか、どこまでも等身大で切実なものとして感じられる。

criterion版の解説によるとヴェネツィア映画祭でこれを見たマルグリット・デュラスも絶賛していたそうで、曰く、表象とテクストとの間、あるいは主体とアクションとの間に、大抵の場合は距離があるものだがこの映画にはそれが無い、ローデンとワンダには永続的な連続性があると。この映画のリアリティに等身大的なものがあるとすれば、それがそうしたある種の私小説的な「わたくし性」を引き受けているからか。
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