真魚八重子

WANDA/ワンダの真魚八重子のレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
4.4
監督、脚本、主演バーバラ・ローデン。
ちょっと知恵の回らない、不器用にしか立ち振る舞うことのできない女が、とある逃亡劇に巻き込まれる。でもそこではなくて、女性が監督して、愚かと言われる女の生きる難しさを体現して、その最後は地獄しか待っていないような表現と余韻に打たれた。

妊娠してしまった女性に、無条件に「君ならいい母親になれるよ」と声をかけるシーンを、映画で一体何度観てきたことだろう。
この主人公は冒頭から、子育てがまともにできない。子どもに特に深い愛着もないから、別れる夫に当然のように親権を譲る。女性監督にしかできないある真実。
真魚八重子

真魚八重子