Automne

WANDA/ワンダのAutomneのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
4.0
上映されているver.はフィルムの質感を残しつつ、低予算の“チープさ”をなくさないようにしていると冒頭にあって、その言葉通りカメラワークもセットも演出もある種“チープ”でありながら良い映画の雰囲気が出ていてバランスとして絶妙な作品だと思った。
ワンダの寂しそうな瞳もさることながら、強盗役の俳優もアナーキーさと無骨さ、そしてビジュアルが晩年のショーケンを想起させるくらい似てて好き。
逃避行→逃避行失敗の王道(悪く言えば何も起こらない)の流れでありながら、画面全体から漂う70年代の空気感と悲壮感が良かった。揺れてないようで揺れていたり、キマっているようでキマっていない構図だったり、ケリーライカートと共通するものを感じる。
私の中でまたひとつ好きな映画のタイプが増えた…アメリカンインディペンデントのクラシック。
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