うさこ

WANDA/ワンダのうさこのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
3.5
処女作にして遺作となった幻の作品。

自分で適切な判断が出来ず仕事も使いものにならないとクビになり、映画館で寝ている間に財布からお金を抜かれ一文無しになりふらっとついていった男性には置き去りにされる、または犯罪者の共犯になる始末。
この時代じゃ知的障害の女性が主人公ってなかなかのタブーだったんじゃないかな。

最初はワンダのふわふわした母親だとは思えない言動にイライラしたけどだんだんそっち系かと気づいた時には他人事じゃなくなってきてしんどかった。
自分にも当てはまるところがあるしワンダみたいな女の子たちいっぱい知ってる。

半世紀前の女性の生きづらい世の中を訴えたような作品だけど今現在は賢いだけではまともに生きていけない世の中になっていてもっと苦しい。


“生きていく理由なんてもう残ってもいないのに、それでも生きていたかった。”
素晴らしい作品をありがとう。
うさこ

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