ふわふわ

WANDA/ワンダのふわふわのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
4.2
“主体性“ってなんだろう?

バーバラ・ローデン監督・脚本・主演
伝説の作品だそうです。

あらすじ…
夫から離婚され、子供も奪われ、仕事もない主婦がバーで出会った男と逃避行を続けるが…

まずバーバラ・ローデン演じるワンダが終始哀しげな表情を浮かべている。
主体性がなく、流されて生きている。
だけど、主体性ってなに?
妻、母としての能力が無ければ、仕事をする能力が無ければ、生きていてはいけないの?
ワンダは諦めながら生きている。
流されて生きるしかないじゃん。
ここはどこだろう?
こんなはずじゃなかった。

皆さんこの映画観て自分は主体性持って自分の人生を生きてきましたよって胸を張れる人ばかりなのだろうか?
私は主体性を持つ事を諦めてしまったワンダを非難できなかった…

そんな事を考えてしまうほどに良く出来た映画でした。
途中の逃避行はどうなるのかハラハラしたし。
ラストシーンの音楽とワンダの表情が忘れられない…。

いろいろな人や団体がこの作品を守る活動を続けた為、観られるようになったそうです。
映画としての出来も素晴らしく、当時の女性の社会性や、自己肯定感のない人間にスポットを当てたりして、埋もれさせたくない傑作である事は間違いないと思います。
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