まるのすけ

酒と女と槍のまるのすけのレビュー・感想・評価

酒と女と槍(1960年製作の映画)
4.4
豊臣秀次が謀反の疑いで自害した。家臣であった主人公の富田蔵人高定は、後を追って切腹せよと親族から強く促される。

高定自身で期日を定めて、切腹する旨を告知する。
切腹の当日、見物人も多く集まる中、客人との献酬が続くうち泥酔し、つい寝てしまう高定。そうこうしている内に、現れた秀吉の使者に切腹を止められる。殉死すると三族を誅するとの命が下り、親族に今度は家のために死ぬなと頼まれ…な話。



秀次の妻妾達が一緒くたになって河原で斬首されるシーン、直接的には見せずただただ血がせせらぎに流れていくの良かった。
その後、大掛かりで物々しい侍の切腹。その対比。

相次ぐ理不尽な要求に、侍なんてもう懲り懲りなんて言っていたが、結局は戦いを忘れられず戦場へ赴く高定。身重の妻は置き去りにされる。

山中の家で再び槍の舞をする姿に鳥肌立った。

もう戦には出ないとの約束を高定が破った為、大事にしていた妹分の犠牲に強い怒りを持って自死した村山左近。その姿を見て、最後は敵味方も関係なく破滅に向かって暴れ尽くす高定。


村山左近を演じた淡島千景が美しいー。