はじめ

地下幻燈劇画 少女椿のはじめのネタバレレビュー・内容・結末

地下幻燈劇画 少女椿(1992年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

昔に見てから忘れられない。
何に一番惹かれるかと言えばやっぱり終わり方がいい。
ずっと苦しい目に遭ってきたみどりが最後に見せ物小屋からも、苦しい生活からも抜け出せそうになるところで、ワンダー正光が殺される。
殺したのは泥棒で、恐らく貧困が原因だろうと分かるんだけど、この泥棒はみどりのあり得た姿だと思う。これまでのどこかファンタジックなものとは違うめちゃくちゃ現実的な殺人と死だからこそ悲壮感とか不条理が際立つ。
そうしてワンダー正光を探して彷徨うみどりは、夢か幻覚か心象風景か、赤猫一座たちが大笑いする姿を見る。
最後にみどりが泣き喚く声で終わるけど、それが、どうしようもないちっぽけな姿なのがすごく、すごく好き。

私の中で『ムカデ人間1』と『BLOOD-C The Last Dark』と同じ棚に並ぶ好きな作品。
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