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カフェ・オ・レのメキシコのレビュー・感想・評価

カフェ・オ・レ(1993年製作の映画)
4.5
初見。
「憎しみ」「クリムゾン・リバー」のマチュー・カソヴィッツの長編デビュー作。
DVD BOXの中に入っていたものの未見だった為に引っ張り出して鑑賞。

表層的な恋愛映画とは裏腹に非常に深いテーマを扱った作品。貧困ユダヤ男性と裕福なブラックアフリカン男性2人が交際中のハーフ女性が妊娠を告白したことにより、浮気発覚、三角関係となる独特な恋愛映画。

主題を恋愛に置いているだけで、人種間や社会的な立場、それぞれの文化の違いなど、移民や多くの人種が住むフランスで起こりえる問題をとてもリアリスティックな描写(「憎しみ」などからもわかるが。まじで街で育ったタイプの作家性」)、カメラワークで描けている。

お気に入りのシーンは空港で休暇帰りの彼女を出迎えるも、小悪魔的に無視された2人が意気投合し、ヒッチハイクから車の中での会話、仲良くなるところです。
また、主人公3人がユダヤ人男性宅に顔合わせを兼ねた食事会に出掛けた際のおばあちゃんが主人公女性だけに伝える「この事(妊娠)があの子(ユダヤ人男性)を大人にさせた」と言うシーンもとても素敵でした。

付き合う、デートするの感覚が全然日本と海外では違うために、とても私たちにとってはめっちゃ新しい形であると思う。
現代では日本という土地的に閉鎖的な島国でも様々な国境を越えての恋愛や人種間の垣根は取り払われていっているように見える傾向にありますが、実際に見えにくいトラブルなどを大陸の問題での先輩ではありますが、先陣切って描けているためにとても現代でも勉強になる一本でした。
全ての日本人に見てほしいと感じました。
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