カカオ

大病人のカカオのレビュー・感想・評価

大病人(1993年製作の映画)
3.0
映画業界の重鎮が病気と向き合うブラックコメディ作品。



以下ネタバレあり















余命期間のカウントダウン



伊丹十三作品は社会問題に対してメッセージを投げかけるが、本作品は延命措置について投げかけていたのではないだろうか。






救える命を治療することは大事なことだけど、治る可能性が少ない命に対して苦しませて延命することが果たして幸せなのか。



黒澤明監督の「生きる」や、ジョニー・デップの「グッバイ・リチャード」を思い出す。


患者によっては潔く余命を宣告されることを望む人も多いと思う。医師の勝手な判断で家族だけに伝えて本人に黙っておくことなどあってはならないと思えた。




残された時間をいかに充実に過ごすか

死後のことを前向きに家族と話し合ったり


そのような余命期間における家族とのコミュニケーションが未練なく臨終の迎えることができるのではないだろうか



現在、終活という言葉が普通に馴染んでいるように、自身の死ぬ準備をすることに寛容となる時代を目指したかったのではないだろうか

と、勝手に想像する。




物語の結末は、憎み合った医師と患者が、紆余曲折を経て友情に目覚める。

死を迎えるといっても晴々しい結末でしたが、途中の展開がパッとしない。特にビニル袋によって窒息する場面は見ていてツラい。







「ゴースト」や「大霊界」を彷彿させるようなシチュエーションは、その作品をリスペクトしているというよりはパクったのではないかと思いました。
カカオ

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