三樹夫

ゲゲゲの鬼太郎 大海獣の三樹夫のレビュー・感想・評価

ゲゲゲの鬼太郎 大海獣(1996年製作の映画)
3.1
4期の松岡洋子鬼太郎の初劇場作品であり、南方の妖怪に鬼太郎が大海獣に変身させられ日本を襲うという話。大海獣は『ゴジラ』大好き水木先生が、『ゴジラ』たまんねぇ~、ていうかゴジラになりてぇ~、そうだ漫画に描いちゃおというので出来たやつ。大海獣は思いっきりゴジラであり、『ゲゲゲの鬼太郎』世界でゴジラをやるという作品で、BGMも伊福部っぽいところがある。音楽の担当は和田薫であり、そのため後に氏が担当した『金田一少年の事件簿』や『犬夜叉』を思い出すような音楽が鳴り響く。

4期の松岡洋子鬼太郎はヒーロー要素もありながら、どこか陰気な雰囲気も漂う。キャラデザもビーバーのような前歯二本が特徴と、はっきり言って結構ブサイクになっている。作監とキャラデザは荒木伸吾、姫野美智の
『聖闘士星矢』コンビで、二人は『聖闘士星矢』のキャラデザのような流麗なヒラメ顔が一番の特徴だが、今作では原作と今風の融合的キャラデザになっている。
4期鬼太郎の持たれるイメージとしてはダークであり、例えばテレビ版35話「鬼太郎の地獄流し」では笑顔 、若さ、母親の思い出と奪われていき田中亮一ボイスのおっさんは改心するが、徳丸完ボイスのおっさんはダイヤの中に閉じ込められたままで、鬼太郎がどうしようかなと暗黒微笑かまして終わるという、当時の小学生に後味の悪さと悪意をぶつけてこの世の不条理を説いていた。しかしなんだかんだ言ってヒーローなところもあり、この映画では島田敏ボイスの植物学者の救出が話の発端なこともあり立ち位置としては完全にヒーローになっている。4期鬼太郎のイメージとしては陰気なヒーローが正しいように思う。4期鬼太郎に一番影響があるのが3期の戸田恵子鬼太郎で、3期は完全にヒーローな鬼太郎だったので、そこの所と差別化をどうするのかと踏襲する部分は踏襲するというので、4期鬼太郎に一番影響を与えているのは3期鬼太郎のように思う。

この映画観て思うのは、鬼太郎パーティーってバリバリの戦闘要員少ねぇな。鬼太郎が抜けた途端どうやって戦うんだ感が強くなる。南方妖怪がまた結構戦闘型の妖怪というのも鬼太郎パーティーって戦闘要員少ねぇ感が高まる。
そして一番の印象を残していくのが3期より度々登場する妖怪チンポだ。水木先生のオリジナル妖怪で、先生曰くクソと小便を使うというだけの妖怪だが、劇中一番の活躍をしていた。あたかもビーム発射のような能力として描かれており、アクションをやるのに使い勝手良かったんだろうな。妖怪チンポはこの映画でも大概度肝を抜いてくるが、悪ノリが一番酷いのは3期の初劇場版のやつであり、「人呼んで3連チンポ噴射だ」は腰を抜かれる。
三樹夫

三樹夫