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孤島の王のクリームのレビュー・感想・評価

孤島の王(2010年製作の映画)
3.7
更生させる気など全く無い孤島に作られた更生施設の暴動事件を元にした作品。
主人公の少年の脱走したい理由や少年達の犯した罪の重さが解らず、モヤモヤします。友情も描かれますが、彼等は犯罪を犯して来ているので、理不尽に連れて来られた訳ではないのも引っ掛かりました。考えた結果、更生施設の在り方を問題提起した作品なんじゃないかと思いました。悪くないけど、面白味はない。

1915年、エーリングは罪を犯し、ノルウェー本土からバストイ島に送り込まれます。島には、11歳から18歳までの非行少年を更生させる施設があり、少年達たは過酷な重労働を課せられます。高圧的な院長や寮長へ反発し、脱走をするエーリングの姿に抑圧された少年達は、影響されて行くのですが…。



ネタバレ



優等生オーラヴはもうすぐ施設から解放されます。脱走したエーリングに波風を立てるなと怒ると彼は、お前は寮長の性的虐待を見て見ぬフリをするクズ野郎だと言われ、迷った末に院長に寮長の性的虐待を報告に行きますが、院長はそんな事があるワケないと相手にしません。
そして、虐待されていた少年が入水自殺します。
院長は、自殺の原因をイジメによるものと嘘の報告をします。
また、院長がクビにしたと思われた寮長は、院長の横領の弱みを握っていた為、処罰されません。
オーラブは、出て行く日に寮長に会い、怒り爆発で、殴りかかり、止めに入ったエーリングも参戦し2人は懲罰房に入れられます。しかし、使用人や他の少年の助けで2人は寮長をボコり脱出。
他の少年達も盛り上がり、大人達を皆でボコボコにします。
院長は、船で出て行きました。
そして、翌日には島に軍隊がやって来て、少年達を捕まえます。エーリングとオーラヴは凍った海を渡って本土に逃げようとしますが、氷が割れ、エーリングは海に飲まれます。
ラスト、成長したオーラヴが島を眺め、エーリングの語っていた鯨物語の続きを語るのでした。
エンドロールでは、当時の施設の映像が流れますが、作品内で忠実に再現されていました。

罪の重さが解らないので、何ともですが、罪は犯したので、更生施設に送られ、自由の無い生活を強いられるのは当然。性的虐待を受けた子供以外は、それ程不当な扱いではなく見えました。
院長は、常識人に見せかけ、金の横領で、性的虐待をした男を容認する等、善良な人間ではありません。院長の仕事は間違いなく、左遷組。あんな過酷場所に送られた訳だから、能力は低いハズ。少年達がそれに気付いてしまい暴動が起きたと思う。本気で更生させようと思ったら、専門知識のある人選と体制が必要だったと言う話なのかと思いました。

※バストイ島の少年矯正施設は1970年に閉鎖されました。現在は、世界一緩い刑務所として生まれ変わっている様です。
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