藤原直樹

孤島の王の藤原直樹のレビュー・感想・評価

孤島の王(2010年製作の映画)
3.9
ノルウェーのバストイ島に1900年から1970年の間実在したという少年矯正施設で起きた少年達の反乱を描いた実録ドラマ。
彼らは番号で呼ばれ、管理され、日常的な虐待を受けていた。
人間の尊厳を奪い、従順な人間へと洗脳する醜い大人たちのエゴ。
寒々しい景色と少年達の真っ直ぐな眼差しがそれらをより浮き彫りにしていく。
仲間の死、事件の隠蔽、理不尽な処分...間違った事が罷り通るその世界で少年達はついに脱出を図る。
彼らのサバイバルをユーモアを排した息詰まるようなタッチで描きながらノルウェー国民の大半が知らなかった真実を映し出す。

.....冷たい質感の中で芽生える主人公等の絆に胸が熱くなった。
シガーロスの名曲が更に心を揺さぶる。
藤原直樹

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