シカク

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのシカクのレビュー・感想・評価

4.0
大病を患い、入院する病院に向かう道中同じ列車に乗り合わせ、同じ病院に着いて奇しくも、部屋も同じになったルディとマーチン。
海をまだ見たことがないというルディに「天国では海の話をするのが流行ってるんだぜ」と海を見に行こうぜとテキーラを呷り、人生の幕が降りる前に海を見に行くことを約束する、既にこの時MAXにカッコ良い。というか病室の冷蔵庫にテキーラて(笑)。監督の友達の、海を見たことがないという言葉から着想を得たみたいで、こういう日常の何気ない事柄を拾い、この上なくカッコ良く、少しの間のずれた笑いも相まって、ラストには、逆に清々しさを覚えた。ちょっとATM行ってくるわの感じで、メチャクチャに強盗しまくって悪事を働きまくるが、恩を返す感じが絶妙に憎めない。こいつらの事を好きにならずにはいられない。
ドイツ映画だけれど、この時代のアメリカ映画を思い起こせさせた。あと、観ている時の慢性的な既視感は、完全に「最高の人生の見つけ方」。
ヨーロッパ映画だけど、アメリカ映画みを感じさせる作品って、ありそうでないイメージだから、これは見て良かったと、ひしひしと噛み締めている。
時々起こる、脳腫瘍があるマーチンの卒倒というか気の失い方が、本当にそれにしか見えな程リアル極まりない。だけど、不謹慎かもしれないけど、何故かなクセになった。
大満足で最高な、逸品。
シカク

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