カッパロー

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのカッパローのレビュー・感想・評価

4.2
末期癌と脳腫瘍を宣告されもう余命が長くない二人は、病院を抜け出し、生涯見たことのなかった海を最期に見に行こうと決心する。マフィアから車を盗み出し、銀行を強盗し、警察とマフィアに追われながら彼らが最期に辿り着いた地点とは...?

まず、映画の筋書き、コンセプトに5億点。生を今にも手放そうとした男たちの、最後の輝き。向こう見ずで刹那的なかれらの命の灯火は、消えかけでありながら煌々と燃え盛り、俺を惹きつけて離さなかった。

主人公以外の全人類がやけに無能だったり、(仕事を辞めるベルボーイ、やたら登場する割に見せ場のない警官陣、主人公たち不在の銃撃戦など)やや"写しすぎ"な感もあったところが少し合わなかったが、それを補えるだけのコンセプト勝ちを感じた。2人が海を目の前に座り込むラストシーンは、王道ながら、素晴らしいの一言に尽きる。

イカした音楽、刹那主義、男の格好良さなど、大好きな要素ばかりの材料で作られてはいたものの、調理もっとがんばれたよな...! というのが総じての感想かな。二人のなにげない会話とか、移動風景とか、もう少し「二人の時間」を大切にしてほしかった。無能な警察どもとか、要らないんだよ。惜しい、惜しすぎる!
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