いがらむ

カナリアのいがらむのレビュー・感想・評価

カナリア(2004年製作の映画)
3.7
頭に白い包帯をつけ、ボロボロな白いTシャツと少し大きめの白いズボンを身につけた無表情の青年が、まさにスターの様相を讃えていて冒頭から良い映画になる予感がする。彼と行動を共にすることになる少女と出会う瞬間が、映画にだけ許された贅沢な時空で、作家のオーセンティックな趣味を感じる。いわばその映画力だけで成立させている作品だが、井上雪子さんが鶴を折り、少女・谷村美月の存在感を引き出すシークエンスの素晴らしさは白眉。終わり方の品のある飛躍もよい。
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