Balthazar

シリアル・ママのBalthazarのレビュー・感想・評価

シリアル・ママ(1994年製作の映画)
3.5
良妻賢母型シリアルキラーです(なんだそりゃ)。こんなん実話であって堪るか!っていう。ブラックコメディです。

『フォーリング・ダウン』のキレるおじさんの怒り爆発はなんとなく理解できる面もあるんだけど、このキレるおばさんベヴァリーはヤバイ。そしてエゲツナイ。良き妻、良き母にして、正真正銘のサイコパス。
彼女はとにかくルールを守らない人間が許せない。駐車場の空きスペースに割り込んできた近所の女に嫌がらせ電話攻撃。レンタルビデオを巻き戻さないで返却する老婦人は撲殺(ラム肉の塊で)!
家族想い、子供想いの度が過ぎて、息子の趣味にケチつけた教師を轢殺(ご丁寧に2度も)、娘をフッて浮気した男には串刺しの刑!これも母の愛?
バードウォッチングが趣味なベヴァリー。ディナーにチキンを食べるような家庭は外道!かわいい鳥さんの命を……許せん。高枝切り鋏で天誅!
殺害現場を目撃され、お魚咥えたドラ猫追いかけるサザエさんの如く、包丁片手に血眼で全力疾走、衆人環視のなか火炎放射で焼き殺すライブパフォーマンス(なぜか大盛り上がり)

逮捕送検されても、そこはシリアルママ。テッド・バンディばりに自分で弁護して無罪を勝ち取っちゃう。マスコミに持て囃され裁判所の外では記念Tシャツが売られるカリスマ主婦として、一躍全米の有名人になりましたとさ。

ところで……この映画にはかつてSLA(共生解放軍)に拉致されて洗脳されたことで有名になったメディア王の娘、あのパトリシア・ハースト女史が最後の方でちょい役(というか秋のファッションマナー違反と難癖つけられてシリアルママに殺される陪審員役)で出演してたんですよ。気が付きました?
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