MissyEllio

ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかたのMissyEllioのレビュー・感想・評価

3.8
((●≧艸≦)プププッ 山崎貴かっ!って突っ込みたくなるような、ダッサいサブタイトルが最低ですね。

まずはじめに、この映画の監督・脚本のエイドリアン・シェリー(本作で主人公ジェナの同僚ドーン)は、近隣問題で殺害されてしまいました。これが最初で最後の作品とは残念で仕方ないです。

本作は監督が妊娠中に書いた本で、パッケージやサブタイトルから想像するような「このパイはどうなんだ?(サイテー)」的な、パイの中身を体に塗ってイチャイチャするようなラブコメではないです。コメディでとても見やすく、要所に言葉が詰まる演出が仕掛けられた、考えさせられる作品です。

夫婦生活に疲れを覚え、やりたい事も諦めきれず、生殺しのような人生を送るジェナは、焦りを感じる。「このまま終わってしまうの?」いや〜、恐ろしい。考えだしたら地獄ですよ。大概は何かで自分を誤魔化して溜飲を下げちゃうんですから。

そんな折、ジェナの妊娠が発覚。ここで彼女に『出産』と言う女性特有の選択肢が発生し、さらなる葛藤が頭に擡げるのです。本来『喜ばしいこと』とされている妊娠は、彼女にとってポジティブではないわけです(夫がね、アレなんで)。

そのネガティブな妊娠発覚後、同僚二人から日記をプレゼントされ、そこにジェナの妊娠や子供に対する感情が吐露されていく。先に述べたように、監督が妊娠中に書いた本ですから、漠然とした不安やジェナの本音は、リアリティを持って胸に迫りくるんですね。

ジェナがベビーカーを買いに行く時の、あの死んだような目が忘れられませんでしたよ。あの目……どっかで見たことあるような……ウオォ冷汗

出産を経て、ジェナの覚悟は決まり(母は強しといったところでしょうか)ある決断をします。そこからは良くあるハッピーエンドにむかっていくんで、気持ちよ〜くはなりますよ(僕的には違う方法もあったんではと……)。

そして、最後にちょっと大きくなったジェナの娘が出てくるんですが、この子はエイドリアン・シェリーの娘さんなんですね……今考えると、なんか切ねぇわ!!

てなことでした。
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