藤見実

茶碗の中の嵐の藤見実のレビュー・感想・評価

茶碗の中の嵐(1937年製作の映画)
4.2
スコットランドの(悪人ではないが)実利主義的で横暴な市長の下院議員選。税金を払えずに犬を奪われたアイス売りの老婆が市長に直訴するもあしらわれるのを見たイングランドの記者がそれを一面記事にしてそれに触発された市民は大怒りの大騒ぎに…茶碗の中の嵐どころでは済まなくなり法廷に持ち込まれるも、記者と市長の娘が実はお互いに好きで(ただお互いの利益が反するためになかなかくっつかないのだが)なんだかんだで不正も正され大団円になるというラブコメもの。

市長の演説時に集まった市民が吠えまくって野次ったり、市長の家に大量の犬が送り込まれたりして最高。犬大暴れ。

我が谷は緑なりきのお母さん役が老婆役で出ておりまたもや好演。

Wikipediaを見ると元々ドイツものをロンドンものにしたのをさらにスコットランドものにしている。スコットランド衣装が滑稽なものとして描かれてないか一瞬心配になる。ちなみに記者が貧しい食事をバカにするシーンがあり。そしてマジでスコッチばっかり飲む。

途中市長に対する怒りを市民が溜めてるシーンで、カットの継ぎ目に雷を挿入していてゴダールチックで笑ってしまった。木が揺れるところなんかはヒッチっぽい。そういうところもまあまあ楽しめる映画
藤見実

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