ククレ

ふたりにクギづけのククレのネタバレレビュー・内容・結末

ふたりにクギづけ(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ファレリー兄弟お得意の「障がい者コメディ」の代表作。改めて観たけど、やっぱり面白い。ぶっ飛んだ設定ではあるけど、ストーリーは王道なんやね。「感動ポルノにはしない」という、障がいを笑い飛ばすエネルギーに溢れてる。

以下はネタバレ…






「結合双生児」という難しいテーマをこれほどまでに明るく描くなんて、ファレリー兄弟しかできへんわな。コントみたいなテンポで生活の様々な困り事とか工夫を次々に見せてくる。恋愛や性の問題についてもあっけらかんとしていてスゴい。「カーテン越しに兄貴がヤッてる」なんてセンスは好き嫌い分かれると思うけど、私は大好き。

脇役もエエわぁ。
何と言ってもシェールやメリル・ストリープが本人役で出ていて面白いなぁ。特にシェール!いけ好かない嫌味女を楽しそうに演じてる。皮肉ばかりやけど実は本質を見抜いている感じがとてもカッコいい。

結局、手術して二人に分かれるけど、何の後遺症もないのは疑問。二人ともバランスが取りにくかったり淋しくなるだけで、案外楽しく過ごしてる。あれではただ仲のいい兄弟が別れただけ。肝臓を心配してたけど大丈夫なの?それならもっと早く手術したらよかったのに、って思った。手術したことにより「失うもの」とか「大変な事態」があったほうが深みが出たんやないかな?後半の展開はベタになっていて「やっぱり二人は一緒でないと」というよくあるオチ。

エンドロールで、バーガーショップの同僚役のダウン症俳優がステージで謝辞を述べるシーン。温かい気持ちにはなるけど、ちょっと蛇足かな?「感動させよう」というあざとさが感じられて、ファレリー兄弟らしくないと思った。

DVD特典の、ファレリー兄弟のインタビューがとても良かった。「Mr.ダマー」「メリーに首ったけ」「愛しのローズマリー」…どれもマイノリティの描き方が素晴らしいな。最近は兄弟ではあまり撮ってないけど、障がいのある当事者が嬉々として演じられるような「際どいコメディ」をこれからも期待してます〜。
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