義民伝兵衛と蝉時雨

書を捨てよ町へ出ようの義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)
4.8
虚無を眼前に直視すると、地獄すら耽美で愛おしく思えてくる。諸行無常。刹那。この世の万物に対する虚無感、そこから狂い咲く激情。しかし本作の中には紛れもない“愛”というものが色濃く屈強に刻み込まれている。闇と光。虚構と現実。あの日あの時、彼ら彼女らの熱情が、劇場に鮮やかに甦る。劇場ならではの仕掛けにも感嘆した。