閉塞感と怒りとやるせ無さの塊が物凄い勢いをもってぶつかってくる。
視聴後は物凄く疲れる。
誰も俺の名前なんか知らない、と繰り返すオープニングから、やたら耳に残る音楽やパステルカラーで彩られた空想、濃すぎる陰影を伴いながら、名乗るだけの人物も含めて一癖も二癖もある人物たちが登場する。
体制に、家族に、自分に、映画に、虚構と現実の狭間を生きる主人公が怒りをぶち撒け、皆の真ん中での独白をもって真っ白な画面に移行していくラストシーン、大きく名を残せなかった俳優が映画に飲み込まれて消えていく様を眺めながら頭の中では「サッカーボールって男性的だよな」の強烈なセリフが繰り返されていた。
1970年8月〜♪