YAZ

逃亡地帯のYAZのレビュー・感想・評価

逃亡地帯(1966年製作の映画)
3.9
マーロン・ブランドの観る

テキサスの石油成金牛耳る町。
脱獄囚ババーが戻って来るという
噂に動揺する町民たち
成金バルの誕生パーティで酒入り
変なテンションに
ババー守ろうと保安官カルダーは
町民と対立するが

戯曲の映画化で冒頭からしばらくは舞台
ぽく静の時間で人物関係も分かり難いの
で少し辛抱。会話の端々から町の姿が
見えて来て段々と面白くなりババー戻り
のカオス状態な動へと一気に

ババーを標的にする群集心理の愚かさ
みたいになりますが、そこに至るまでは
反成金がベースで成金の犬となってる
保安官憎く、保安官が守ろうとしてる
ババーも憎いという三人のテキサス男
と保安官の対立
その対立に騒ぎたいだけで乗っかる愚か
な多数の町民たち

ババーの妻と成金の息子の関係も問題
を複雑にして人間ドラマとして面白い。
石油成金でイイ思いしてきた男に罰が
下ったようでもあります

調べると原作者「アラバマ物語」脚色家
本作も反黒人差別色チラホラ
で南部独特の理不尽な危うさ出てる

ブランド保安官は成金の世話にはなってる
ようで、そんな自分もこの閉鎖的な町にも
ウンザリしてる職務に忠実な男
彼の絶望は当時の空気を表してるよう。
数年後に再共演するロバート・デュヴァル
との二人芝居ありました

アーサ・ペン「俺たちに明日はない」だけ
ではないよの一本でもある秀作でした
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