Nao

逃亡地帯のNaoのレビュー・感想・評価

逃亡地帯(1966年製作の映画)
3.5
石油成金バルが権力を握るアメリカ・テキサスの田舎町。
住民たちは夜ごとの派手なパーティで退廃しきっていたが、保安官カルダーだけは正義を貫こうとしていた。
ある日、ここの土地出身の殺人囚ババーが脱獄、街に舞い戻ったというニュースが入り、人々は騒然となる。

マーロン・ブランドとロバート・レッドフォードの共演。
ロバート・レッドフォードはまだ売れる前くらいだが、今までこの作品を知らなかったのが惜しかった。
内容的には街の人達の怒れ具合が物を言う。
皆が生きる意味を見失い、踊り、飲み明かし、ババーを排斥する頭しか無いのが、群集の狂気として映る。
人種的な面や親子の関係性など、社会問題のような部分にも触れていて、当時のアメリカの治安をそのままに感じ取れるようだった。
希望を感じられたのに現実は厳しかったという展開は、奇しくも悲哀感に苛まれた気持ちになった。
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