BOB

逃亡地帯のBOBのレビュー・感想・評価

逃亡地帯(1966年製作の映画)
3.8
アーサー・ペン監督による犯罪サスペンスドラマ。

石油成金が権力を握るテキサスの田舎町。町中の関心は、地元の悪童が脱獄したとのニュースで持ちきりになる。

🤠🔥

隠れた傑作かと。アーサー・ペン監督は『俺たちに明日はない』の前年に、こんなにも"アメリカン・ニューシネマ"な作品を世に出していたのか!

地元の悪童の脱獄を機に、閉鎖的なテキサスの田舎町で巻き起こるドロドロ群像劇。"集団心理って怖い"、"結局世の中金か"よりもっと深い政治的な話だとは思ったのだが、色んな要素がありすぎて理解が追いついていない。モヤモヤしている。

石油成金のバカ息子と、他人の罪を被ってきた正義心のある"悪童"と、妻兼愛人の三角関係。石油成金の操り人形だと噂されている正義感のある保安官。セックス革命を謳ってパーティー三昧の石油成金の子供世代と、彼らの品の無さを指摘する保守的な親世代。日雇い労働者のメキシコ系。白人から差別を受けるアフリカ系(『夜の大捜査線』前)。しつこい宗教おばさん。


・ババーと両親の関係とは。
・終盤の一連の大暴動における各キャラクターの立ち回りが意味することとは。

マーロン・ブランド、ロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダ、ロバート・デュヴァルと豪華な面々。

マーロン・ブランドのパワフルな熱演!ベストアクトの1つだと思う。悪徳保安官と見せかけて、実は正真正銘の正義漢。集団暴行され、大量流血し、ボロボロになっても尚、己の信念を貫き通す。お得意のデタラメもごもご喋りもしっかり面白い。

50年代に制作されていれば、マーロン・ブランドの役は『真昼の決闘』のゲイリー・クーパーだっただろう。

アメリカン・ニューシネマ的には納得だが、ロバート・レッドフォード映画的には予想外の結末。

本作とは関係ないが、シャーリー・マクレーンとウォーレン・ベイティって実の姉弟だったのか!!

135
BOB

BOB