ハンスウ

逃亡地帯のハンスウのレビュー・感想・評価

逃亡地帯(1966年製作の映画)
3.8
こりゃビックリした。見たことないマーロン・ブランドに、「逃亡地帯」なんて聞いたことないタイトル。一応、日本公開はされたようですが、ソフト化されてなかったのか、レンタル屋でも見かけたことない作品でした。

戯曲が原作らしいので、前半、ちょっともたつくんですけど、戯曲原作にしてはうまく映画化している方だとは思います。他の戯曲ものに比べればということですので映画として完成度が高いというわけではないです。舞台でできないことを脚色して映画ならではのシーンに変換するということがよくできてるんじゃないかな。

それでどんな話かっていうと、割と直近の作品を例にしてわかりやすく言うと、去年公開された日本の「福田村事件」みたいな集団心理の怖さを、まあ、けっこう極端に描いた作品と言えますかね。怖いですよ〜。マーロン・ブランドは他にも人種差別を描いた「蛇革の服を着た男」って言う怖い映画がありますけど、それも戯曲原作でした。

さわりを軽く言うと、刑務所から脱走騒ぎがありましたと、その脱走犯が逃げる途中人を殺したらしいと町でウワサが立つんです。その田舎町はね、見た目は普通の人々なんだけど、土曜の夜ともなれば乱痴気騒ぎでメチャクチャになるんですよ。大人から子供までメチャメチャ。この辺はかなりデフォルメを効かせてますけど。それでその脱走犯を庇って自首させようとする保安官が町の男連中にボコボコにされたりする。この連中は何かしら口実があればターゲットにするんです。白人女性を訪ねた黒人男性を取り囲んで脅したりもする。そして脱走犯の居場所がわかりましたってなると、大勢の住民がそこへ押しかけて隠れている脱走犯をまるで炙り出すように火を放つんですよ。その間に関係のない人間まで二次被害を受けてしまったりもします。ようやく保安官が脱走犯を保護して連れて帰るんですけどぉぉ……っていう話なんスけど😅……、いやあ、あらすじ書くの上手な人いるけどムツカシイね😂

現代のSNSでね、炎上とか過剰に批判が集中したりとかありますけど、それに通じる集団心理の暴走なので、実際に生身の人間がリアルタイムで行動したらこうなるよって言うのが映像化されていたと思います。怖い怖い。

それで何にビックリしたかというと、ま〜、内容にもびっくりはしましたけど、それよりもこの豪華キャストですね。たぶん、内容が内容なだけに、スターを集めないと映画化できなかったのかもしれない。本当のところは分かりませんけど。まず「ゴッドファーザー」の6年前なんですけど、マーロンとロバート・デュバルが共演していてビックリ。先日、ヨボヨボのロバート・デュバルを見たばかりだけど、ここではまだ青年っぽさを残したイケメンでした。それから父親そっくりの若いジェーン・フォンダ。これだけ若い頃は初めて見ました。それからラスト近くなってマーロンとロバート、今度はレッドフォードの方が出てきてマーロンとツーショットになる。ここが1番ビックリしたとこです😳! このスターの組み合わせは初めて見ました。ありがたやU-NEXT。
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