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アメリカ帝国の滅亡のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

アメリカ帝国の滅亡(1986年製作の映画)
1.5
【帝国は滅亡しないよ☆】
カナダ映画史において、クローネンバーグ映画群と同列に重要視される作品『アメリカ帝国の滅亡』を観た。ジャレド・ダイアモンドの歴史書かなんかかい?スペクタクル超大作かと思えば、ミニマルを極めた作品だった。

アメリカは滅亡しないし、そもそもカナダのフランス語圏ケベック映画だ。ひたすらに、男と女の知識ひけらかしセックストークが繰り広げらるだけ。最大のスペクタクルは冒頭の長回しと、血尿マーライオンシーンぐらいだ。

おまけに本作の続編が『みなさん、さようなら 』ときた。”C'est Vrai?(マジで?)”と訊き返したくなります。

さて、本作は文明の滅亡と人々が幸福を求める様の関係性を会話だけで描こうとしているらしい。知識人が酒を呑み、セックスに対する持論を唱えマウントするが、結局本能には逆らえない。自分の思う理想のセックスができないところに笑いがあるらしい。正直、時代に評価された映画なのだが、その普遍性と作家性は目に焼きつくものがあった。
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