Azuという名のブシェミ夫人

ジョアンナのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

ジョアンナ(1968年製作の映画)
3.6
ロンドンの美術学校に通う為、家族から離れて祖母の家に下宿することになった女の子ジョアンナがひた走る愛と青春の日々。

こんなの『可愛いーーー♡♡』って言っちゃいますよ。
最初から言う気満々で観たのだけれど、まんまと。
オープニングは駅。
ブルーのフィルターが掛かった渋いモノクロ画面。
『あれ・・・??なんか予想した雰囲気と違う・・・?』って訝しむ私をからかう様に、フィルターがイエロー、ピンク、グリーンと変化!
そして列車からジョアンナが飛び出すと画面が一気にカラー!素敵!!!

そこからは、1960年代の所謂スウィンギング・ロンドン!
ポップ!ポップ!!ポップ!!!!
革命的でサイケデリックな世界を、超ミニスカートのオシャレガールがふんわり漂っちゃう。
出てくるファッションがいちいちキュートで、ファッションショー観てるみたいで楽しーい!
正直点数は殆どファッションです♡

ヘリウムガス吸ったみたいな甘い声のジョアンナは、何でもかんでも受容しちゃう。
ちょっとイッちゃってる感のあるお花畑な女の子だけど、それは純粋な心から来る素直さでもあるので許せる。
時たまハッとするような核心をつく発言をしたりして油断出来ない。
初っ端祖母の家で、手についたブルーベリージャムを『壁紙で拭いてイ~イ???♪』には苦笑したけど。笑
てか、スーツケースからどんだけジャム出てくるのよ。
荷物ほとんどジャムじゃん。

お友達の黒人の女の子ベリルも素敵で、人種関係無くそれぞれに魅力がある。
そしてドナルド・サザーランド!
若っっっっ!!!!

しかし物語の中身は、有って無いようなもの。
自由や愛を信じつつ、奔放なセックスや友達との戯れで自分を解放し、しかしまた生命や人生の儚さに傷つき心を悩ませる。
『感性で見ろ!』とでも言うように表現がぶっ飛んではいるものの、本質としては大人へ向かう途中に多くの若者が抱える思いを描いているように見えた。

まるで舞台を観ていたかのようなフィナーレのラインダンス、楽しい演出でした!
かなり遣りたい放題な作品ですが、『スウィンギングロンドン』で画像検索して、その雰囲気がお好みでしたら是非ご覧くださいな♡