移動するものをカメラで撮ったらそれはもう映画なんだと、どこかで聞いた事があったようななかったような。
車で走行中の何の変哲もない男が何の気なしに追い抜いたタンクローリーにひたすら追い回されるという本当にただそれだけの話。
犯人は誰なんだとかその動機は?みたいな展開も一応通過するものの、ただただ主人公をしつこく追ってくるだけの強大なタンクローリーはほとんどモンスターの様な描き方をされていて、そこには何の目的も納得のいく動機も持たされていない様に思えます。
純然たる「追いかけっこ」を90分間緊張感を維持させながら描き切る、剥き身のスペクタクルを見せつけられたような感覚です。