本日の一本。
ボロボロの錆びたタンクローリーと乗用車一台だけの90分に満たないこのドラマがどうしてこんなにハラハラ・ドキドキするのか。本当に恐ろしい映画だ。
観客の緊張感をここまで完璧にコントロール出来てしまう若かりしスティーブン・スピルバーグの才能に畏怖する映画。「アオラレ」のラッセル・クロウのように魅せるヴィランも大事だが本作の敵は最初から最後までその顔は明らかにされない。故に彼の行動に何一つ整合性を見出すことが出来ない。ここから来る恐怖心が徹底的に主人公デビットマンを追い詰める。
人間が最も恐れるものは見えざる者、それを良く分かっているから煽られたという理由だけで本気で殺しにかかる。この単純であるが即効性抜群の殺意が実にスリリング。
シンプルイズベストの極地。伝説の始まりを楽しく鑑賞した。