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砂時計のsingerのレビュー・感想・評価

砂時計(2008年製作の映画)
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あまり期待はしてなかったんですが、悪い意味で予想通りの作品でした。
以前に放送していた昼のTVドラマ版は、1話30分で、全60回。
原作のコミックス版は全10巻。
この長編を2時間の映画で物語るというのは、やはりとても難しいんでしょうね。
観ていて原作のダイジェストを見せられているような印象は否めませんでした。

2時間の中で、「6ヶ月後~1年後~10年後」と、これだけ時間経過を端折ってしまわれては、
その間にある登場人物の心の動きを、観る側の人が感じられなくて当然。
よって、重要であろうシーンや台詞が、全く心に響かないものになっていたのが残念ですね。

物語の後半、大人になった杏と大悟が偶然、フッと擦れ違うシーンなんかは、原作では凄いカタルシスがあるんだろうけど、
この映画の中では拍子抜けするくらい、あっさりと流れて行ってしまっている。
要するに、感情の積み重なりが殆ど省略されているんですよね。



予告篇を見ると、感動出来る良い恋愛映画のように見えるんですけどね・・・。
まさか、映画の本篇までもが、原作やドラマ版の予告のような出来だったとは。
ドラマ版や原作を知ってる人なら、楽しめたのかなぁとも思いますが、
でも、そういう人は逆に、思い入れがあるだけに、この物語のダイジェスト化に反感を持つかも。

キャストに関しても、作品がいま一つだったので、殆ど見る所は無かったです。
最近、よく出演作を見てて評価も高まってた夏帆も、あまり良くなかったし、
成長して松下奈緒になるのも違和感がありました。
後、この物語って杏、大悟、椎香、藤の4人の心の繋がりや、擦れ違いが時と共に移ろって行くのが見所なのに、
主役二人にスポットが当たり過ぎてるのも残念でしたね。

ということで、物足りない消化不良な感じがあったのですが、だからと言って原作やTVドラマに興味が湧くという事もなく。
個人的には、正直言うとつまらない作品でしたね。

原作ファンの友人に話したら、怒られそうですけど・・・。
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🎦こちらは2008年11月13日にブログに投稿したレビューです。

女優・夏帆の過去作を振り返る企画?も、こちらで終了。
この当時の夏帆は、小動物のような可愛らしさがあって、きっとこのままキュートな感じの女優さんになってくんだろうなぁと期待してたんですよね。
でも、今現在、時にはガサツだったり、時にはヤサグレた演技も出来る、そんな実力派の女優になってったというのは、ちょっと予想外だったなぁと、最近の作品を見て、つくづく実感させられてます。
とても、いい女優さんとして成長されたなぁと思ってはいるんですが、
そろそろまた、可愛らしい大人の夏帆も見てみたいなぁというのが、自分の希望ですね。
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