映画を見る猫

早春の映画を見る猫のレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
4.8
本当に、男の子ってバカ。
もう、痛々しいくらいに、目を塞ぎたくなるくらいに、捕まえてお尻を叩きたくなるくらいに。バカ。
そんな風に微笑む女性を、天使と崇めて、疑わないのだから。
若さという愚かさは、いつしか忘却の靄に覆われ、青春という時代の額の中に飾られて、いくらだって綺麗にして、自分を騙せるのに。
この映画の生々しさは、それを許さない。
全部目の前につきだして、過激に脚色して、ガツンとこちらの頭をひっぱたく。
純朴過ぎる男性、愛する男を裏切り不義を働く女、下される罰という流れは、最近の作品にも共通していたような。
スコリモフスキ全作見たい、本当にそればかりである。