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妻のotomのレビュー・感想・評価

(1953年製作の映画)
4.8
すったもんだがあって戻る日常ループがより重くなってる、ままならなくなってるのが林芙美子らしい印象。ひたすら何かをつまみ食いし、歯をほじくり、適当な家事をこなす超ガサツな高峰三枝子が実に良い。それに対しての煮え切らない上原謙で、夫婦が互いに問題有りのコミュニケーション不足で映画的にはどんどん面白くなる。浮気相手の丹阿弥谷津子の元へ行き思いの丈をぶちまける妻な訳だけれど、自立型女性をやり込める依存型女性の図で妻としては最低な感じがするけどなんだか凄い。ラストではたきを一生懸命にかけるシーンで、そこやってもどうにもならん的な虚しさの演出が秀逸。脇で良い感じにサポートする三國連太郎に新珠三千代(なんか顔が違う)も大変良かった。
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