Moomin

音のない世界でのMoominのレビュー・感想・評価

音のない世界で(1992年製作の映画)
5.0
ドキュメンタリーの作品研究の講義にて
映像表現が詰まりに詰まった作品
耳にハンディキャップを持った人達の学校とインタビューとを重ね合わせて進んでいく物語
とにかく人間を子供を撮るのが上手い
それもただの寄りではなくカメラと被写体との距離の近さが映像からすぐわかる
そして構成をここまでかと丁寧に重ねた映像表現 それは絵の構図や編集の構成だけではなく音までも 特に音に関してこの作品は作りに作り込まれていることにいくつかのショットから感じられる
それはニコラフェリベール監督が現場では録音マンだそうで、音を題材にした今作ではその練度の高さが異常なほどである
ラストシーンに行く遊園地 講師のおじいさんの際の無音 これが映像表現の1種の映画でありドキュメンタリーである

観ていておよそ100分があっという間
それほど登場人物には魅力が詰まっており、魅力の見せ方までもが上手い
人物を好きになる映画は決まって名作になり得る その代表格にも感じる

∴雑談
 講師の安岡さんはインタビューを入れ字幕をつけた時点で世界観が崩れたと たしかに一理あって鋭いと思う
加えて耳にハンディキャップを持っている人達に対して外せない要素 「読み書き」その要素が明らかに抜かれていることに、そこに意図を感じたそう 読み取り方は自由と
 とにかく冒頭から素晴らしい 映画の始まり方として これからこういう世界に行くのだとの暗示 魅力 一瞬もだれないうちに本編の子供たちの姿が映し出される
 手話教室に一度行ったことはあるが、手話は表情も含めて手話だと聞いた それがこの作品を語っていて、手だけのカットは殆ど無い 表情の捉え方まで上手いし 少し言い方が悪いが人選の良さ、撮る方みんなに意義を感じる作品
 主人公になり得るパッケージの少年の母親との絡み 彼のマイク・カメラへの視線 意図的にあのカットを使うニコラフェリベール監督からレベルの違いを感じる (ワイズマンは制作側の影が見えるショットは完全に切るそうだ)
 講師の島田さんが尊敬し尽くしているニコラフェリベール監督 「僕の好きな先生」も傑作だったので是非観てください
後日レビューします
(最近ドキュメンタリーのことばかり呟きすぎてるかな…
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