長年見逃してた思い出深い作品。BSで録画してたり、DVDも持ってたんだけど、劇場で観たかった。
シネマ ジャック&ベティの「夏休みの映画館」にて上映。この特集、毎年本当にとてもチョイスがいいんだけど、子ども(小学生〜高校生)に見せたいけど、子どもたち来るか…?というラインナップで、結局はシネフィルたちがチラホラ来るくらい。なのだけど続けてほしい! 映画好きの親が、子どもに英才教育を促すにはこれ以上のものはなく、とても意義ある企画。海外のシネマテークではちゃんとこういうのやってそう。
今年は今作と『カリオストロの城』(マイオールタイムベスト)というバランスで子どもにも大人にも嬉しい名作ラインナップ。
ちなみに2022年は『ロシュフォールの恋人たち』(マイオールタイムベスト)『セロ弾きのゴーシュ』『キャロル』『タレンタイム』『夜明け告げるルーの歌』など…。毎年全作行きたいくらい。
『音のない世界で』ももちろん納得のラインナップ入り。最近では『コーダ』が「ろう者」を描いて話題となったが、ニコラ・フィリベールは90年代の頃からやさしい眼差しで「ろう者のコミニュティ」をドキュメンタリー映画で伝えている。
映画やドラマでは細かく描かれない「ろう者の世界」を違う国の住人として垣間見ることができ、考えさせられる。
本編だけでもとてもいいのだけど、「夏休みの映画館」では、上映後に解説ムービーが付いていた。(ロシュフォールの時もあったけど、全作何かしらあるのだろうか?)それが、ろう者からのこの映画の感想動画で、健常者の自分が思った感想と違い、リアルな感想を知り愕然とした。子どもたちが言葉の発生練習をするシーンなどは苦痛で見ていられないそうだ。
それを踏まえて見るとまた違った世界が見えてくる。子どもと母親のシーンなどとても切ない。(あの子どもがポストで泣くところがかわいいすぎる)