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任侠中仙道のAONIのレビュー・感想・評価

任侠中仙道(1960年製作の映画)
3.0
千恵蔵と右太衛門の両御大が刀を抜いて向かい合うシーンが最大の見せ場だろうが、お馴染み山形勲&進藤英太郎と共に今回は悪役に廻る月形龍之介が最大の儲け役。

東映オールスター時代劇の名手・松田定次監督、今回も本領発揮。最後の大殺陣で豪華スター達に振り分ける見せ場&連携プレーの作り方など、まさに職人芸。

東映オールスター時代劇の常として、片岡千恵蔵&市川右太衛門に月形龍之介を加えた三大重鎮を中心に物語は進む。戦前大スター組としては、さらに大河内伝次郎まで加わるのだが、今回は商人役なので剣劇での見せ場はない。

山形勲&進藤英太郎というお馴染みの悪ボスがいながら、一人で悪事の企みを引き受ける月形龍之介が大活躍。ドスの利いたあの声は、やっぱり悪役に廻った時の方が冴え渡る。

その他印象に残った俳優を挙げると、時代劇ながらヤクザ映画ということで若山富三郎も存在感を発揮。しかし、この頃はまだ悪役ではないので本領発揮とは言い難い。中盤で強烈な印象を残してフェイドアウトする、大友柳太朗もある意味儲け役かも。

こんな大スターに囲まれて、得をしたといえるのは終始出ずっぱりの小悪党・原建策。それにしても、中村錦之助のダサいカツラが笑えます。
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