arch

クロッシング・ガードのarchのレビュー・感想・評価

クロッシング・ガード(1995年製作の映画)
3.9
『インディアン・ランナー』ほどではないが、これも良作。喪失を扱う作品が数ある中で、本作は被害者遺族と加害者をフォーカスする。加害者家族側の苦痛等も描かれることがある中で、若干の視野の狭さを感じながらも、被害者側の父親の感情の起伏を見事にジャック・ニコルソンが表現していた。特に日にちを設定する行為によって、本作のほとんどが、有限な時間を過ごしている、そして遂に救われるのだと期待して過ごしている男の日常として観ることができ、彼の喜怒哀楽の激しさに感情が揺れ動かされる。
何かが解決した訳ではなく、遂にようやく始まるという終わり方。全ての終わりとしてカレンダーに刻まれた日付は、ようやく受容が始まる瞬間なのだろう。
前作に続いて、人生を賢く生きられない、踏みとどまれない男が描かれていて、そこに自分も何か惹かれているののかもと思った。
arch

arch