鈴峰らんか

魚からダイオキシン!!の鈴峰らんかのレビュー・感想・評価

魚からダイオキシン!!(1992年製作の映画)
3.0
好きな人がこのときのモックンの髪型に憧れるって言っていたから観ました。
正直内容はよくわからなかったし、わからなくてもいいんだなって解釈した。
だからこれはもうラブレターに近いんだけど、好きな人と同じ映画を共有できたことを記録に残します。

大まかなストーリーはあるんだけど、フェイクドキュメンタリーのような作り。人々のもっさりした90年代ファッションが私には新鮮に見える。特に冒頭30分くらいは実際の選挙運動の映像が使われていると後で知り納得した。選挙の泡沫候補に見る時代の移り変わり、なんてテーマでコラム書いたら面白いかも。

自分が生まれる前の映画を観るときっていつもそうなんだけど、この頃の日本ってどんな感じだったのかなって思いを馳せる。制作された90年、91年くらいは今より世間は物事に寛容だったんだろうか。世紀末へのカウントダウンが始まってどこか荒んだ雰囲気だったのかな?凶悪犯罪が多いのは96-97年のイメージだけど。アイドル冬の時代もこのへんか?そんな話を好きな人ともしてみたいな。私はまだ物心つく前かな。あの人はちょうど思春期くらいのはず。この映画を何歳のときに観たんだろう。大人になってから観たのなら、一番記憶に残る時代の映像だから懐かしく思って観たのかな。

お目当てのモックンは確かにかっこよかった。好きな人がこの髪形にしたら似合うだろうなと想像しながら観た。(でもあの人、確か癖毛だわ)真っ白で整えられた短髪はモックンのビジュアルを際立たせるものだったし、混沌とした作品の中でダークヒーローのような正しさと危うさを持ち合わせたキャラクターを表現するものとして機能していたと思う。そういえば好きな人もとっても常識人なのにモノを壊すことへの異常な執着を感じる。何かシンパシーを抱いたのかもしれない。

どの出演作やワイドショーで見てもそう思っていたけど、内田裕也の表情からは何一つ読み取れない。本人役なのもあるけど、案外お芝居の本質ってそういうとこにあるのかしら。何もしていないように見えるのに、周りとの温度差で話が展開していく。軍艦島がドンドン爆破されても仲間が死んでも無表情。演じているのに演じていないような、違和感があるのに嘘じゃないような・・・もしかしてムキダシで向き合うみたいな意味でラストはすっぽんぽんなんだろうか??私には一人でこれを解説するのは難しすぎる。だからこそ好きな人と話して考察してみたい。そんな機会に恵まれますように。
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