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虞美人草のRのレビュー・感想・評価

虞美人草(1941年製作の映画)
3.6
小説を読むために鑑賞。

男は外、女は内の時代に、藤尾みたいな自己顕示欲(?)ある女はつらいだろうな。
兄は哲学して冷静に判断する頭もあって、仕事をしてないとはいえ、外との交流はある。
イルミネーション見たときに兄から放たれた「驚くうちは楽しみがあるもんだ。女は楽が多くて幸せだね」という嫌味は、藤尾に結構きいてる。
自他共に認めるハイカラな藤尾は、見下されることに強い悲しみ(適当な言葉見つからなかった😣)

仲間内で存在感あるし、他のおっとりとした女の子たちとは違ってるけど、社会に出るまではいけなくて、結婚がほぼ人生の全て。
(藤尾から見て)バカ?な宗近より、知的な小野と結婚したくて、自分の持ってる能力を発揮して、両者と駆け引き。
だってこれしかすることないし、自分の生を感じれることはないからね。
インテリ二人(宗近は分からないけど、小野は東大、宗近だって外交官になるから超超超インテリ)と恋愛の駆け引きでは対等、もしくは優位に立てることに浸ってる。

糸子みたいに周りの男の人たちが望むような従順でピュアな女の子にはなれなくて、腹違いの兄弟から自分と母に財産を引き継がせるため計算して生き残らなくちゃならない。
最後糸子は、他者の目にがんじがらめになってる藤尾の母の理屈を、無邪気さで蹴散らせて圧倒的正義として物語は終わりに近づく。
藤尾は小野にも宗近にも愛想尽かされて、終。
宗近は案外スポット当てて考えたい登場人物かもしれない。
最後の藤尾、宗近の中身全く無視だったし、今までのことだって怒って当然。だけど…

涙は出なかったけど、悲しい物語。
昔のしきたりに固執する藤尾の母と、従来の良妻賢母像に当てはまれないハイカラチックな藤尾。
詳しく話すと長く感情的になってしまうからおしまい。
あぁ、悲しい。小説でまた考える。
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