うにたべたい

飛び出す立体映画 イナズマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.1
東映の"立体映画シリーズ"として作成されたイナズマン劇場版。
立体映画には他に仮面の忍者赤影とキカイダーがあり、3作が収められたDVD『東映特撮ヒーロー THE MOVIE BOX』のボーナスDisk版を視聴しました。
本作の立体映画は赤と青のメガネをかけて観るアナグリフ式いなっていて、DVDでは飛び出す用にメガネもついています。

立体映画は全編ではなく、イナズマンのバトルが佳境に差し掛かったときだけになります。
メガネを掛ける必要があるときは、赤・青の空間にいるメタな渡五郎が「メガネをつけて応援しよう!」的なことを教えてくれるので、その時につければいい感じです。
飛び出す映像は今見るととんでもなくチープですが、当時のこどもたちはこの遊び心のあるギミックに心くすぐられたのでしょう。

内容は、イナズマン最終回の帝王バンバがイナズマンに倒され、新たな敵が登場する場面となります。
ただ、本放送のものとは違っていて、ウデスパーは登場しません。
バンバがイナズマンを幹部待遇として勧誘する場面などはあり、展開は似ている部分があるのですが、オリジナルストーリーとなってます。

本作では過去のミュータンロボが再生怪人として大量に再登場し、仮面ライダー劇場版のように崖の上で名乗りを上げるシーンがあります。
イツツバンバラやスナバンバラなど、懐かしい怪人が登場してくれますが、さすがにバラバンバラは登場しなかったですね。
そして立体映画でたった一人のイナズマンに総出で挑みかかります。
さすがにイナズマンに勝ち目はなさそうですが、剛力招来せずになぜか速攻でイナズマンになって、大量の敵を一方的にやっつけます。
中には死んだふりして波にたゆたっているミュータンロボや、攻撃に行ってると見せかけて一人で謎の動きをやってるミュータンロボもいます。
再生怪人の宿命なのかもですが、まじめに全員で戦いなさいよと思わなくもなかったですね。

ちなみに豪作や少年同盟メンバーは本作には登場しません。
それどころか作中「俺に仲間などいない」と豪語するイナズマン。一体何があったのか。
個人的には実は信頼されてない疑惑あったのですが、本作の直前でついにケンカ別れでもしてしまったのだろうか。
すぐに渡五郎を埋葬したり、冤罪なのに自首を促したりする酷い仲間ですが、豪作はいいキャラだったので立体豪作を観たかった気もします。
相変わらずギャグはなしですが、一応、超能力少女が登場するので、雰囲気的には一期のイナズマンよりだと思いました。
なお、デスパー軍団の登場は本放送よりも早かったそうで、これってテレビ放映を楽しみにしている子供に壮大なネタバレ映画なのではと思ったりしました。