ドルチェ 優しくのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

【黒沢清のお気に入りだけあって】
黒沢清のお気に入りのソクーロフ映画。

アレクサンドル・ソクーロフはドキュメンタリーになると、より実験映画色が強くなる傾向があるのだが、本作も同様だ。青年将校として奄美へ赴任した後の文豪島尾敏雄と島の教師ミホとの宿命的な恋を物語る内容なのだが、途中から心霊映像に化けていく。

階段を監視カメラのように捉えている場面では、何かの気配がずっと漂っている。雨がしたたる空間の中にミホと思われる女の顔を挿入していく場面の不気味さはなんともいえないものがあった。