1999

ラストエンペラー/オリジナル全長版の1999のレビュー・感想・評価

4.0
ストーリーが一辺倒ではなく、本人の歴史とその時の情景を描いている。
共和党が隣の地域にでき始め、実質的に没落貴族のような形になりそれでもそれなりに暮らしをしていると日本が攻めてきて、再度お飾りのような満洲国の皇帝にさせられる。
紫禁城の時は空の城だと気づいていたが、満洲国の時には本人自身が自分を皇帝だと信じてやまないようすだったのが見てて何とも言えない気持ちになった。
皇后は薬中になり、1人になった感じが凄かった。
刑務所で自分は何者かを再度自覚したのかな。ただ一度皇帝として生きたら中々抜けないだろう。弟は最後まで居てくれたのかな。

フィルムが全体的に色褪せているような風合いで良かった。
子供の頃の乳母が片乳を吸わせてあげるシーンは、上品なエロ。澁澤龍彦の高丘親王航海記を思い出した。

良かったシーン
即位式のとき、黄色い丸い布にはしゃぐ皇帝。
乳母との別れで大きな宮殿の庭に1人、大声で叫ぶシーン。
自転車に乗ったりするシーン。
1999

1999