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猿の惑星のMOCOのレビュー・感想・評価

猿の惑星(1968年製作の映画)
5.0
「コーネリアスはとても独創的な説を唱えているのよ、コーネリアスはオイラ達は霊長類の下等な種族=人間から進化したと言うのよ」


「『猿の惑星』ってどんな映画なの?」TV初放送になる月曜ロードショーの放送前に、2つ年上の人に聞きました。
「宇宙旅行に出掛けた人達がたどり着いた惑星が猿の惑星だった話だよ」
「でどうなるの」
「宇宙船で冷凍睡眠から目覚めたら、乗組員の女の人が猿になっていたらしいよ」・・・元の情報の発信者はおそらくロードショーで見たのでしょうけれど、ちゃんと観ていれば2つ年下の私でも乗組員の女の人に何が起ったのか解るのに「一体どこでそんな話になっちやうんだよー」って思ういいかげんな事前情報でした。

 月曜ロードショーの猿の惑星は新聞テレビ欄の情報でジーラの吹替えは中村メイコ さんなのです。
 中村メイコ さんのジーラは自分のことを「オイラ」と言うのです(猿は雄雌関係なく自分のことをオイラと表現するようです)。

 吹替えが標準語でないと嫌な私は、大阪の芸人が大阪弁で吹替えするのは大嫌い、猿と言えども女性が「オイラ」言うのはすごい違和感で放送を見たのです。

 その後何度も字幕版ビデオやDVDの吹替えを観る内に中村メイコさんの「オイラ・・・」が聞きたくて聞きたくてしょうがなくなって恋い焦がれていたときに販売されたのが2014年の「吹替の帝王」。小躍りしたくなる出来事でした。
 おそらく中村メイコさんのジーラでなければダメ、という方も多いのではないでしょうか。

「月曜ロードショー」での放送は昭和48年12月24日、映画好きの子供にはクリスマスプレゼントの様な放送だったのです。テイラーの吹替えは納谷悟朗 さん、コーネリアスの吹替えは山田康雄 さんという後のルパンコンビなのです。加えてゼイウス博士の吹替えの熊倉一雄さんの声が抜群に良いのです。・・・という訳でこれも大切なコレクションです。と、そんなことはどうでも良い前置きです。

 猿を演じている俳優が誰であるかなんて当時は考えたことがなかったのですが、「ポセイドンアドベンチャー」「冬の嵐」(レビュー済み)旧作「フライトナイト」(レビュー済み)のロディ・マクドウォールがコーネリアスを演じていることを知った時は驚きでした(パンフレットを購入して顔は知っていたのですが、子供の時は俳優にあまり興味無かったのでしょうね)。

 不思議な話なのですが1968年2月8日アメリカ公開の「猿の惑星」と1968年2月24日に日本封切の『藪の中の黒猫』が劇中の音楽がびっくりするくらい酷似しているのです(『藪の中の黒猫』のレビューで確認ください)・・・。
と、そんなこともどうでも良い話なのですが、8才の私には長い長いテレビ放映で結末に到達する前に、いつ「もう寝なさい」ってテレビを消されるのかビクビクして観ていた分余計に、あのラストシーンは驚きでした。
 凄いオチの映画なのですが日本版の通常版DVDのパッケージにはその驚きのシーンが大なり小なり印刷されているため感動が薄くなってしまいます。
 ラストシーンに向かっていく海岸のカメラワークは本当に凄い。観るべきシーンであり、観るべきSF映画なのです。

 核戦争でこの星の人々の文明が滅び、何故猿が代わってこの星を支配したのか?シリーズはその後テーラー達の宇宙船を再起動させ過去に遡るタイムトラベルの話となりその謎も解明されていきます・・・。

 事前情報がいい加減で本当に良かった、お陰で大きな感動があったクリスマスプレゼントでした・・・。


 このころ3つ年上の親戚のお兄ちゃんが私に尋ねました。
「猫のおならと、犬のおならと、猿のおならではどれが一番臭いでしょう?」
「うーん、犬かなぁ・・・?」
「残念! 猿のは、くせえ!」
「????????」
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