Ryu

僕らはみんな生きているのRyuのレビュー・感想・評価

僕らはみんな生きている(1992年製作の映画)
3.7
商社マンの高橋はプロジェクト売り込みのために東南アジアの架空の国 タルキスタン共和国に出張することになる。しかし現地でクーデターが発生してしまう。市街地で激しい銃撃戦が繰り広げられる中、高橋は自社の駐在員 中井戸やライバル会社の富田、升本と共に空港を目指す。

今やすっかり平和ボケしてしまった日本。そんな日本人が急に戦争に巻き込まれたらどうなるのか?をコメディ色で描いております。コメディっちゃコメディなんだけど、戦闘シーンは人がじゃんじゃん血を流して死んでいくし、ずっっと笑えるって感じではなかったですかね。
今作は展開よりもキャラクターがコメディって感じがします。真田広之、山崎努、岸部一徳、嶋田久作の4人のやり取りがまぁおもしろくて。周りはえらいことになっているんだけど、見慣れたおじさんたちが叫びまくって慌てふためく様子が滑稽でおもしろかったです。ジャケにもなっているジャングルで写真撮るシーンがなんともシュールで(笑)。4人が決して仲良しこよではないところがまたイイんですよね。
最後は日本のサラリーマン精神爆発!バブル崩壊から間もない時期の作品ということもあってか、ひたすら働き続けるサラリーマンの叫び、なんかジーンっときちゃいました。「300通届いていた年賀状が退職後には7通になってんだよ」ってセリフが印象的でした。汗水たらして働いてきて色んな人たちと関わってきても、結局は仕事だけの関係。
バブル期に比べたら働く時間はかなり減ったかもしれませんが、欧米諸国のように1ヶ月休暇もらいます なんてことはできないし、仕事のせいで家族との時間がなくなってしまう なんてことも普通です。これは日本が遅れているからなのか、それとも日本人の性格からなのか。なんか“働く”ってことを色々考えてしまいました。
出張先で、もの盗られても、撃ち殺されそうになっても、ジャングルでサバイバルすることになっても、日本のサラリーマンの意地と根性で乗り越える主人公たちに勇気をもらえました。
今もこれからも社畜上等!!
Ryu

Ryu