黒沢清監督称賛の一本。イギリス・ハマープロのフランケンシュタイン男爵シリーズ全七作の中でも傑作と名高い第四弾。テレンス・フィッシャー監督。
生きて添い遂げられなかった不幸な男女。フランケンシュタイン男爵の悪魔的実験が二人に復讐の機会をもたらす。。。
最初はホラーと品格のマッチングに少々の違和感を感じたハマープロ×フィッシャー監督作品だったが、鑑賞を重ねてきたらその味わいにハマってきた。生真面目に施された美術と安定したシナリオ、そしてどギツ過ぎないホラー表現には、英国らしさが漂っていて紅茶を飲みながら鑑賞したくなる。
本作にはモンスターも幽霊も登場しない。フランケンシュタイン男爵のスチームパンクな実験と死体復活による復讐のメロドラマが繰り広げられる。しかし、冒頭から何度も登場する町はずれの丘のギロチン台と無慈悲なストーリー展開が、独特な怪奇ムードを放っている。
英国ホラーを安心して楽しめる良作。