まだ韓流という言葉が浸透していなかった時代に作られた韓国映画の傑作。
まさに韓国でなければ作ることができない作品だろう。
そして私はこの映画でイ・ヨンエのファンになった。
北朝鮮と韓国、同じ文化を持った同じ民族の人たちが互いに反目し合い睨み合うという状況。
我々日本人には理解が及ばない世界。
そんな両国の末端の兵士たちが顔を突き合わせたらどうなるのか？
極度の緊張感。
それを拭うかのような暖かさ。
こんなこと起きるわけがないじゃん…という非現実感。
でも可能性が無いとも言い切れないギリギリのリアリティ。
北と南、相反するいくつかの要素。
そしてその両者の間で中立的な立ち場から事件の真相に迫るスイス軍の将校ソフィ・チャン少佐。
色んなものが絶妙なバランスで成り立っている映画ではなかろうか。
重いし、疲れるし、切ないし、でも暖かいし。
興味ある人もない人も一度は観てほしい作品。
