イチロヲ

三匹の牝蜂のイチロヲのレビュー・感想・評価

三匹の牝蜂(1970年製作の映画)
3.5
女の武器を利用しながら刹那的な人生を送っている三人組のズベ公(大原麗子&夏純子&市地洋子)が、図らずも暴力団の売春組織に組み込まれてしまう。自由奔放な娘たちの「Let it go!」(流れに沿って突き進むしかない!)を描いている、青春映画。

主人公三人組が、どんなに不利な状況に陥ろうとも、若いバイタリティと軽いフットワークで困難を乗り越えていく。本編にネガティブなムードは存在していなく、ビッグネームのカメオ出演を盛り込んだ、純然たる娯楽作品として完成されている。

大原麗子とカップリングされるのは、若手ヤクザの渡瀬恒彦。ちょっとトボけた悪党を演じるのは、唯一無二の揺るぎなさを誇る小池朝雄。登場人物の70年代サイケ・ファッションと、当時の生活用品を写しこむカメラワークが印象的。

まだ露骨なヌードは登場しないが、池玲子&杉本美樹のピンキー・バイオレンス路線に引き継がれるであろうモチーフが随所に垣間見られる。大阪万博開催と重ね合わせた内容になっているため、当時の世相を知るための資料としても価値があるかも。大原麗子のツンツンした演技は、ほとんど素にしか見えない。
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