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シド・アンド・ナンシーのカネコのレビュー・感想・評価

シド・アンド・ナンシー(1986年製作の映画)
3.4
伝説のパンクバンド・セックスピストルズのベーシストシド・ヴィシャスとその恋人ナンシー・スパンゲンの物語。

登場人物が何の説明も無く出てくるのでピストルズを知らないとちょっと厳しいかも。
悲劇的な感じかと思ったらシドとナンシーの2人のシーンは結構コメディというかコントみたいに楽しく観れた。
ドリフで言ったらシド=加藤茶、ナンシー=志村けん(発声が似てる)でもしもジャンキーのバンドマンだったらコントみたいな。
何となくトー横キッズもこんな感じなのかなと思ってしまった。

シドは破天荒なスタイルでジャンキーで演奏もほとんど出来てないけどカリスマだったのね。
一緒にバンドでめちゃくちゃやってた仲間が解散後になんかマトモな事言ってるのをテレビで観るシーンは学生から社会人になった時に感じたりするやつ。

ナンシーは典型的なグルーピーでバンドマンなら誰とでも寝たいタイプ。こういう人もいるなあ。
シドは運命の相手だったんだろう。

一人の女性がバンドの世界観に入ってくる事で崩壊する様はビートルズのジョンとヨーコみたいだった。
今作はイギリスの社会ををアメリカから来た女が破壊する風刺でもあるとか。

シドがピストルズのアメリカツアー中にロンドンのナンシーに電話をかけるシーンでアメリカンダイナーの中から外で電話をかけているシドを映したシーンがめちゃくちゃカッコいい。
ダイナーのカウンターに座る老人とその後ろのテーブル席に座るメンバー。その窓の外夕暮れの中電話をかけているシド。
二人の世界が完全にメンバーや社会からも断絶しているのが表現されていた。
このシーンのポスター欲しい。

バンド解散後ナンシーがシドのマネージャーを務めるけど二十歳そこそこの素人がショービズ界を渡って行けるはずも無く。お互いドラッグに溺れていく。

マイウェイのシーンで終わってたら感動的だけど(このシーンオマージュらしい)その後も続いて最後夢のように終わる。

シド役のゲイリー・オールドマンのハマりっぷりが素晴らしかった。

【プリシラ復習③】
ロックスターとグルーピーの恋で観たけどかなり趣きが違ったのでちょっとプリシラとはズレてしまった。
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