柏エシディシ

ファニーとアレクサンデルの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)
3.0
いつか観なきゃ観なきゃと思いつつ、いざとなるといつも尻込みし、2018年のベルイマン特集上映の時も回避した本作。
やっと観た!これで私も「ファニーとアレクサンデルを観た」側の人間になれました。
ベルイマン作品の中で最も観やすい分かり易いと言われてるそうですが……そうかな?w
もっと陽性の物語かと思ってたのに、結構シンドいし、結末もホラー映画みたいな終わり方だ。
確かに序盤のクリスマスパーティは賑やかだけど、アレはアレでなかなかに家族という名の地獄絵図とも取れる。
内容は実質的なベルイマンの集大成作に相応しいベルイマン全部盛りの様な映画。
鑑賞まで随分掛かってしまったが、ある程度ベルイマン的文脈を把握してからで良かったといえば良かったのか。
父親やキリスト教への怨念、自身のはらむ男権主義性の悔恨と自戒、霊的存在、女性同士の連帯、そして演劇への情熱。
まぁ、判ったつもりになっていても判っていないところも勿論まだまだ沢山あって。
イサクの甥っ子の美男子の件りとか。
ベルイマン映画鑑賞はけっして楽しいものではないけれど、やっぱり何だか惹きつけられて、そしてめちゃくちゃ思考と感覚を刺激されるというのは変わらない。またお世話になります。
スヴェン・ニクヴェストの撮影はやっぱりすごくて、何度もおおっと慄きながら観た。劇場のスクリーンで観れて良かった。
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