もとまち

ファニーとアレクサンデルのもとまちのレビュー・感想・評価

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)
4.3
これは超絶。5時間超えの長尺がまるで苦にならなかった。人間の美醜入り乱れる壮大なホームドラマに始まり、通過儀礼的な死、極悪主教との対決、恐怖の折檻描写、次々と現れる幽霊たち、磔刑と死神の幻想、呼吸するミイラや人形、劇団の衰退と再生、子供の視点から描かれる「神」への懐疑等々...内容もテーマも盛りだくさんなうえに展開が超速いのでめちゃくちゃ面白い。動線が隅々まで計算された流麗なカメラワーク、そしてワンカットワンカットの美しさは言わずもがな。エクダール家の華やかなセット、それに対する主教一家の牢獄のようなビジュアルなど、美術がどれもこれも素晴らしい。5時間とは言えベルイマンの中では見やすい方。大傑作。
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